カナダを漢字一文字で書くと「加」?「加奈陀」になった理由
カナダの日本語による漢字表記は「加奈陀(カナダ)」で、漢字一文字に省略して書くと「加」と略されます。「加国」「加連邦」と表記されることもあります。
米、英、仏、独、伊、露などと比べると「加」は、いまいちピンと来なかったので、カナダの漢字表記について調べてみました。
その他、カナダ主要都市の漢字表記についてもまとめてみたいと思います。
カナダを漢字で書くとナゼ「加奈陀」?
漢字圏以外の国名や地名を漢字で表記するには、発音の近い音訳による当て字をするのが一般的です。
加奈陀も、「加(カ)」「奈(ナ)」「陀(ダ)」と音訳による当て字です。
カナダの漢字に「加奈陀」が用いられた理由
加奈陀の「加」は、左側のへんがカタカナの「カ」に、草書体がひらがなの「か」の元になった漢字で、「奈」も、二画目までがカタカナの「ナ」に、草書体がひらがなの「な」の元になった漢字です。 どちらも日本語のひらがな、カタカナのベースになった漢字で、外国語の音訳にも広く用いられました。
「陀」は、けわしい、くずれる等の、あまりポジティブではない意味を持つ漢字ですが、仏陀(ブッダ)、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)、阿弥陀如来(あみだにょらい)等、外国語の音訳にも広く用いられた漢字で、加奈陀(カナダ)の他にも、和蘭陀(オランダ)、宇岸陀(ウガンダ)等の国名にも使用されています。
「加奈陀(カナダ)」は、音訳による当時の最も標準的な当て字だったと言えます。
中国語でも「加」?カリフォルニア州も「加」?
中国語での表記は「加拿大」と日本語での表記とは異なりますが、漢字一文字に省略して書くと日本語と同じ「加」になります。
ちなみにアメリカ合衆国のカリフォルニア州の略号も「加」で「加州」が用いられます。
カナダ主要都市の漢字表記
カナダ主要都市の漢字表記を集めてみました。
トロント:多倫多
トロントは、カナダ最大の都市で、オンタリオ州の州都です。
トロントの日本語による漢字表記は、「多(タ)」「倫(リン)」「多(タ)」と音訳による当て字です。 「倫」は、「哥倫比亜(コロンビア)」など「ロン」の音訳に用いられます。
モントリオール:門土里留
モントリオールは、トロントに次いでカナダで2番目に人口の多い、ケベック州の中心的な都市です。
モントリオールの日本語による漢字表記は、「門(モン)」「土(ト)」「里(リ)」「留(ル)」と音訳による当て字です。
バンクーバー:晩香坡
バンクーバーは、ブリティッシュコロンビア州最大の都市で、カナダ国内第3位の都市圏の中心都市です。
バンクーバーの日本語による漢字表記は、「晩(バン)」「香(カ)」「坡(ハ)」と音訳による当て字です。
オタワ:倭塔瓦
オタワはカナダの首都で、カナダ政治・行政の中心地です。フランス系住民の多いケベック州とイギリス系住民の多いオンタリオ州の境界にあった事から、ビクトリア女王により1858年に首都として選ばれました。
オタワの日本語による漢字表記は、「倭(ワ)」「塔(トウ)」「瓦(ガ)」と音訳による当て字です。