アメリカを漢字で書くとナゼ「米国」?「亜米利加」の由来は?
アメリカの日本語での漢字表記は「亜米利加」で、通称「米国」と略されます。
ネットやテレビのニュースで日常的に「米国」の文字を目にするので、特にいまさら違和感はありませんが、なんでアメリカが「米」なの?と疑問に思った事はありませんか?
アメリカの漢字の由来や、アメリカの主要都市の漢字表記についてもまとめてみたいと思います。
アメリカを漢字で書くとナゼ「米国」?
アメリカを表す漢字は、現在では「米国」「亜米利加」と表記するのが一般的ですが、幕末期までの多くの書物では、アメリカは「亜国」「亜墨利加」と表記されています。
発音の問題から「米」へ変化
漢字圏以外の国の地名は、カタカナで表すしかなく、漢字で書くには発音の近い音訳による当て字をするのが一般的です。
幕末期くらいまでは、アメリカ(亜墨利加)と表現していましたが、中濱萬次郎(ジョン万次郎)が使っていた「メリケン(米利堅)」の表現の方が、「メ」にアクセントがある本来の発音に近いこともあり、世間に広がり、アメリカの漢字表記も「亜墨利加」に変わって、「亜米利加」や「米利堅」が使用される様になり、「米」へ変化していきます。
亜細亜(アジア)との区別
「亜細亜(アジア)」と区別するなどの理由もあり、「メリケン(米利堅)」の"米"を用いた"アメリカ=米国"が定着し、日本語でのアメリカを表す漢字は「亜米利加」と表記される様になっていったと考えられています。
アメリカ主要都市の漢字表記
アメリカ主要都市の漢字表記を集めてみました。
ニューヨーク:紐育
ニューヨークの中国語での漢字表記「紐約」の約(ヤク)が、日本語の漢字表記では育(イク)となり「紐育」となった。
サンフランシスコ:桑港
サンフランシスコの中国語での漢字表記「桑方西斯哥」から頭文字「桑」に、港町である事を示す「港」を付けた。
ロサンゼルス:羅府
ロサンゼルスの中国語での漢字表記「羅省枝利」から頭文字の「羅」に、その地の中心である事を示す「府」を付けた。ロスとも読めそうです。
ワシントンD.C.:華盛頓、華府
ワシントンの日本語による漢字表記は、「華(カ)」「盛(セイ)」「頓(トン)」から頭文字の「華」に、その地の中心である事を示す「府」を付けた。
シカゴ:市俄古
シカゴの日本語による漢字表記は、「市(シ)」「俄(ガ)」「古(コ)」と音訳による当て字です。
シアトル:舎路
シアトルの日本語による漢字表記は、「舎(シャ)」「路(ロ)」と音訳による当て字です。
フィラデルフィア:費拉特費、費府、
フィラデルフィアの中国語での漢字表記「費拉特費」から頭文字の「費」に、その地の中心である事を示す「府」を付けた。
セントルイス:聖路易
セントルイスの日本語による漢字表記は、頭文字「聖(セント)」に、「路(ロ)」「易(ヤス)」と音訳による当て字です。
ボストン:波士敦
ボストンの日本語による漢字表記は、「波(バ)」「士(シ)」「敦(トン)」と音訳による当て字です。
ホノルル:花瑠瑠、美港
ホノルルの日本語による漢字表記は、「花(ハナ)」「瑠(ル)」「瑠(ル)」と音訳による当て字です。美港とも書きます。
ハリウッド:聖林
ハリウッドの日本語による漢字表記は、「ひいらぎの森」という意味である"Hollywood"のうち、"Holly(柊)"を"Holy(聖)"と誤訳されてたものが定着されました。